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菜々緒、共感覚を体現する女優魂 白髪で挑んだ新作映画

エンタメ

映画『キャンドルスティック』の公開初日舞台挨拶が都内で行われ、主演の阿部寛をはじめ、菜々緒やサヘル・ローズ、津田健次郎ら豪華キャストが登壇。

日本と台湾による国際合作映画として注目を集める本作は、東京や台北、ハワイ、イランなど多文化が交差する6都市を舞台に繰り広げられるスリリングなマネーサスペンスだ。

そんな物語の中で、菜々緒は“共感覚”という特殊な知覚を持つ女性を演じる。

役作りの一環として、あえて白髪を染めずに出演するという異例の決断を下した彼女の姿勢は、観る者に強い印象を残す。

共演者との交流や撮影現場での舞台裏も明かされ、菜々緒の女優としての新たな一面、そして本作が持つ映像的・物語的な魅力が浮き彫りになる内容となっている。

菜々緒が体現する“共感覚”という難役

共感覚とは?その症状と特性

共感覚(シナスタジア)とは、ある感覚が別の感覚と結びつく特殊な知覚体験で、たとえば「音に色を感じる」「文字に味を感じる」などの現象が起こる。

一般には理解しにくいこの感覚を、菜々緒は映画『キャンドルスティック』で演じる役を通じて表現。

リアリティを持たせるために、視覚や動作だけでなく、心の動きまで細かく追いかけたという。

菜々緒にとっても、共感覚というテーマは初めて取り組む題材であり、演じるうえで多くのリサーチや実体験の収集に力を注いだ。

彼女は台本だけでなく、神経科学や心理学に関する文献にも目を通し、可能な限り深くこの感覚世界に没入しようと努めた。

実在の友人の影響で白髪を維持

菜々緒は、共感覚を持つ実在の友人から「強い感覚が日常的に押し寄せてくるため、心身ともに疲弊する」と聞き、その苦労を体現すべく外見にも変化を加えた。

なんとその友人はストレスから白髪が急増したという話に着目し、菜々緒自身も撮影中、白髪を染めずに出演することを決意。

あえて年齢を感じさせる容貌を演じに取り入れることで、観る者に“見た目の違和感”から共感覚の存在を印象づけた。

この決断は、彼女の女優としての意識の高さを物語っており、見た目の美しさを重視する業界にあって、役に徹するその覚悟は賞賛に値するものである。

白髪の一本一本にまで神経を研ぎ澄まし、役柄の精神的疲弊や不安を投影したという。

視覚的な印象作りに込めた女優魂

映像作品において、視覚的な情報は大きな役割を果たす。菜々緒は、「共感覚という目に見えない感覚を、視聴者にどのように伝えるか」が最大の課題だったと語る。

そこで重視したのが“白髪”という象徴的な要素。これにより、言葉では説明しきれない内面の揺らぎや孤独感を視覚的に訴えることに成功した。

美を追求する女優としてあえて“老けて見える”外見を選んだ決断には、演技にかける強い覚悟が表れている。

加えて、菜々緒は衣装やメイクにも細心の注意を払い、色使いや質感、光の反射まで計算した造形を意識し、観客の視覚に訴える演技を徹底していたという。

初共演の阿部寛との関係性

スタジオですれ違った過去の逸話

阿部寛と菜々緒の共演は『キャンドルスティック』が初めてだが、実は過去にTBSのスタジオですれ違った経験があったという。

阿部はそのとき「すごいオーラだな」と感じ、いつか共演したいと願っていたとのこと。

今回の現場での再会は運命的であり、菜々緒の印象的な存在感がプロの俳優としても一目置かれていたことが伺える。

また、菜々緒自身も阿部との共演を長く望んでいたと語り、「お互いのタイミングが合ったことに感謝している」と喜びを滲ませた。

現場での阿部寛の意外な素顔

菜々緒は阿部寛について、「イメージ通りの存在感があるが、意外とお茶目」と語った。

取材中には「忘れちゃった」と冗談交じりで返すなど、親しみやすい一面も。

堂々とした佇まいの中に、柔らかさと人間味が感じられたという。大ベテランでありながら気取らず、現場を和ませるその姿は、共演者にとっても大きな支えだったようだ。

撮影合間には自らスタッフに話しかける姿も見られ、現場の雰囲気づくりにも貢献していたという。

菜々緒が語る「気持ちが良い人柄」

阿部寛との共演について菜々緒は、「一緒にいると周囲の空気がキレイになるような存在」と表現。

会話のテンポや受け答えの自然さに心地よさを感じたといい、英語セリフでパニックになる阿部を支えながらも、互いに良い空気を生み出していた。

長年俳優として第一線を走る阿部の姿勢は、菜々緒にも刺激となり、共演による相乗効果が感じられたようだ。

阿部は自分の演技についても率直に語ることが多く、菜々緒は「阿部さんの飾らない言葉に救われた」と振り返っている。

映画『キャンドルスティック』の魅力

4ヵ国6都市を舞台にした国際合作

『キャンドルスティック』は、日本・台湾・イラン・ハワイという異なる文化背景を持つ4つの国・地域を舞台に、6都市で撮影された国際合作映画である。

国境を越えた視点と多様性を取り込むことで、従来の邦画にはない新しい映像体験を提供。

それぞれのロケ地が持つ独自の雰囲気や景観が、物語にリアリティと奥行きを与えている。

特にイランのパートは現地の俳優とスタッフで構成され、異文化との融合が自然に描かれている点が評価されている。

マネーサスペンスとしての新鮮さ

本作は、「元天才ホワイトハッカーがAIを欺き、FX市場で大金を得ようとする」というスリリングな展開が特徴のマネーサスペンス。

金融という専門的な分野を扱いながらも、テンポよく進行するストーリーにより、幅広い層が楽しめる内容に仕上がっている。

ITや金融を題材にした邦画は少なく、その点でも注目を集めている。

また、物語にはAIの倫理やテクノロジーへの警鐘も織り込まれており、エンタメ性だけでなく社会性も備えた作品となっている。

阿部寛は、英語の台詞が多く「頭が真っ白になるほど焦った」と語っており、撮影中は菜々緒や共演者たちのサポートが大きな支えになったという。

阿部・津田の“水かけシーン”舞台裏

本作の撮影では、阿部寛と津田健次郎が初対面でありながら、水をかけ合うシーンに挑んだ。

失敗すれば衣装やメイクのやり直しが必要な一発勝負だったが、津田は見事に成功。

阿部は「水が真っすぐ飛ばないことがあるので難しい」と振り返り、津田も「緊張した」と語った。

初対面とは思えぬ息の合った演技は、観客にも強い印象を残すはずだ。

現場では笑いも起き、成功した瞬間にはスタッフ全員が拍手したというエピソードもあり、現場の一体感の高さが伺える。

まとめ:菜々緒の挑戦と作品への期待

演技に込めた想いが作品に反映

菜々緒が見せた“白髪”というビジュアルの挑戦は、単なる演出ではなく、共感覚を持つ人物の苦悩を視覚的に訴える試みだった。

外見の変化だけでなく、役柄の内面にも深く入り込み、その存在感は観る者の印象に強く残る。

役者としての新たな側面を見せたことで、菜々緒にとっても本作は大きな転機となっただろう。

共演者や監督からも高評価を得ており、「菜々緒がいなければこの役は成立しなかった」との声も上がるほどである。

国際的な映画制作の今後に注目

『キャンドルスティック』は、日本と台湾を中心とした国際共同制作という形で実現したが、今後このような試みが増えることが期待される。

異なる文化が交錯することで、新しい表現や物語が生まれる可能性は大きい。

本作がその先駆けとなり、日本映画のグローバル展開に拍車をかける一歩となるかもしれない。

多国籍キャストとスタッフの連携が成功の鍵を握ったことは、今後の作品制作における貴重な教訓となり得る。

監督の米倉強太は「文化の衝突ではなく融合を目指した」と語り、撮影現場では言語の壁を超えたコミュニケーションが意識されていたという。

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