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「パティスリー幸福堂書店はじめました」/秦本幸弥~心温まる人の触れ合いの物語

短編集

最近、細々と小さなお店をもちたいと思うよパティスリーうになってきました。イメージは横丁のタバコ屋さんとか、近所の駄菓子屋さん……。

そんな時に出会った1冊です。

「パティスリー幸福堂書店はじめました」/秦本幸弥

あらすじ

主人公の安子は祖父の台から続いている幸福堂書店が大好きで。当たり前に店を継ぐものだと思っていました。しかし、ある日突然父に店じまいを考えていることを告げられ、自分が引き継ぐと言い張り、3年を目処に黒字運営させることを条件に引き継ぐこととなります。

安子なりに色々と試行錯誤してキャンペーンやイベントを試みるが、経営は軌道に乗らないままに2年が経って、絶望的だった安子は、専門書を探して店に訪れた男性客とのやり取りで、今までの自分の考え方を振り返ることになります。

たまたま見つけたスイーツ店でその男性客と再会し、物語が動き始めます。

感想

私はほん屋さんが大好きで、よく立ち寄ります。繁華街の大木屋本屋さんも、地元の駅前の小さなお店も、本が沢山あって、その本を求めて集まる人が行き交う雰囲気が大好きです。

このご時世、書店は生き残りが大変なのは私も知っています。実際、書店が大好きな私も、本を手に取っても買うに至ることは少なくなりました。

そんな状況下で本屋を受け継ぐ安子の気持ちの強さに、凄いなぁと思いながら読み始めました。

2年があっという間に過ぎてしまうのは普通にあることでしょう。そこで諦めて、何か違うことを始めるのかと思っていましたが、安子の粘り強さはさすがと思いました。

粘り強く諦めずに頑張ったからこその出会いだったんでしょう。スィーツ点と本屋さん……。話はどんな展開になるのかと心配しながら読み進めましたが、お店に来る人達の悩みを解決していく心温まる物語の連作短編集で、読みながら温かいきもちになりました。

こんなふうに人と関わることの出来るお店っていいなぁと、安子たちがちょっと羨ましくなりました。

私も、出来るならこんな温かいお店をしてみたいと感じました。

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