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怖ガラセ屋サン/澤村伊智~いちばん怖いのは…~

小説

夏真っ盛りのこの時期、やはり怪談や怖い話の人気は衰えないようです。

こんなことを言っている私も、怪談は大好物で、一生懸命読んで、夜中のトイレに困ってしまったりすることも、未だにあります。

そんな私が手に取った1冊です。

恐ガラセ屋さん/澤村伊智

あらすじ

物語は仲のいい親子の会話から始まります。

第一話「人間が一番怖い人も」

物語は仲のいい親子の会話から始まります。

父親の視点から、最近の子供たちが怖がるのはお化けや幽霊よりも奇妙な行動をする人間なのかと思いながら話をしている。そして、真っ向から現実的な意見で一刀両断する妻……。

第二話「救済と恐怖と」

「わたし」の回想……。母と二人暮しだったが、母がスピリチュアルのグッズにハマり…。

第三話「子供の世界で」

小学校五年生の光太郎は、同じグループの矗(のぶ)をいぢめる側になってしまったことで気持ちが塞いでしまっていた……。

第四話「怪談ライブにて」

舞台は怪談ライブ、物語は4人の怪談師の語る怪談実況とともに進んでいきます。

怪談師たちの語る怪談と、その場で起こる怪談……。階段づくしの物語……。

第五話「恐怖とは」

舞台は彼の車の中。彼はスクープを狙うカメラマン。人気俳優と愛人の逢い引き現場をスクープして一発逆転を狙って張り込んでいる車に情報屋の女性が訪れます。

彼と彼女はその「車の中」という閉ざされた空間の中で、一体何を語るのでしょうか……。

第六話「見知らぬ人の」

「私」はクモ膜下出血で倒れ、治療のために入院中。まだ、43歳なのに、どうにも記憶に曖昧なところがあり……。

「私」と妻、隣の患者と訪れる見舞い客。病院ではありがちな光景なのに……。

第七話「怖ガラセ屋サンと」

この物語は、短編集にするために書き下ろされた物語だそうです。是非、手に取って味わってください。

感想

本当に怖かった、これが最初の言葉です。

最初、本当に一般的な子供さんのいるご家庭のワンシーンから始まりましたから、損な雰囲気で流れていくのかと思いつつ読み進めたわけなのですが……。

じわァっと怖さが染み込んでくる感覚を味わえました。

それまでなんの変哲もない日常が一言二言で恐怖に変わってしまったり、関わる中でどんどん気持ちが変化していくサマが、本当に怖く感じました。

人間の本能や煩悩、狂気の恐ろしさと、怪談の怖さ、そして都市伝説的な不可解な雰囲気……。そんなこんなが混ざりあって、なんとも言い難いけれども、そこはかとなく怖い短編集といった感じです。

想定外の展開に背筋がひやぁッとして、今日は冷房を緩めで……。

メディアの反応

 

 

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